vol.2「ハラハラし、ワクワクもする」
吉國 明彦さん
編集者・ライター
麻希子さんと僕は、新聞SOLAを作ってきた仕事仲間である。彼女は編集長として、僕はカメラマン兼ライターとして(正確に言えば、僕のクライアントだ。発行元が彼女の実家・天国葬祭だから)。地元に暮らす「人」だけにスポットを当てた、その超ローカル新聞は、なんと11年、40号を超え、発行部数も2000部くらいから1万部に迫るようになってしまった。しかし、その間、彼女は編集後記以外は企画や取材交渉などの裏方仕事に徹し、ほとんど表に出ることはなかった。英語が堪能なせいか、日本語の文章がおぼつかないことはあるものの、デザインの心得があり写真も僕よりもずっと上手なのに。
元来、彼女は出たがるタイプではない、と思う。(妙齢の女性に対しては失礼かも知れないが)つまり、縁の下の力持ちなのである。そんな彼女が、選挙という表舞台に出るというのだ。政治家を志したのは12歳の時だったという。まさに十代決心、いや重大決心だ。はじめての政治家への挑戦。不安もいっぱいあるだろう。でも、はじめてだからこそ、真摯に向き合えることもある。ずっと新聞SOLAを支えてもらった僕は、全力で応援したい。ちょっとオーバーに聞こえるかも知れないが、そうでもしなければ、30年を超えて志を貫いてきた彼女の、立候補の決意と釣り合わない、と思うのだ。
今回の麻希子さんの出馬は見ていてハラハラする。けれども、それと同じくらいワクワクもする。彼女を知る誰もが、同じ気持ちではなかろうか。投げかけるキャッチコピーは「もっと。スマイル」。県政に向き合う、彼女の心意気が、そのシンプルな一言にどこまでも込められている。それは決して、お愛想の笑い、上から目線の笑いではない。とまどい、あえいで、なやんだ末に、たどり着くあたたかい笑顔だ。そんな笑顔で、堂々と、当選をいっしょにつかみましょう。